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取締役の競業行為への対策

公開日:2022/10/29 / 最終更新日:2022/10/29

取締役が会社と同種や類似の事業を行うと、会社に損害が発生する可能性が高くなります。

そこで法律上、取締役には「競業避止義務」が及びます。

競業避止義務とは、取締役が会社との「競業行為」を行ってはいけないという義務です。

 

今回は取締役の競業避止義務の内容や競業行為を防止するための対策方法をみていきましょう。

 

1.取締役の競業避止義務とは

会社法により、取締役には「競業避止義務」が課されます。

競業避止義務とは、取締役が会社の事業と重複する可能性のある取引を行ってはならない義務です。

 

1-1.競業行為には事前承認が必要

取締役は会社に無断で自分や第三者のために会社事業と同種の取引をしてはなりません。

競業取引をするなら、株主総会で重要事項を示し、承認を受ける必要があります。

取締役設置会社の場合、取締役会への報告と承認が必要です。

 もしも承認を受けずに競業行為を行ったら、会社から損害賠償をされますし取締役の解任事由にもなります。

 

1-2.取引終了後には報告が必要

承認を受けた後も、競業行為となる取引を終了したら会社へ重要事項を報告しなければなりません。

報告をしない場合や虚偽報告をした場合には、100万円以下の過料の制裁が適用される可能性もあります(会社法97623号)。

1-3.競業行為になる取引の範囲

取締役の競業行為となるのは、以下のような取引です。

重複する取引

実際に重複する取引は競業行為になります。

たとえば塾を経営する会社の役員がノウハウを活かして自分や家族に塾経営をさせる場合などです。

将来重複する可能性がある取引

現在は会社がサービス展開していなくても、将来進出する予定のある場所で取締役が同業のサービスを行った場合などにも競業取引に該当する可能性があります。

 関連する取引

会社事業そのものでなくても関連する取引が競業取引と評価される可能性があります。

たとえば取締役が会社商品の原材料を販売するケースなどです。

 

2.退職後の競業行為を防止する方法

取締役の競業行為は、むしろ「退任後」に問題となる事例が多いので注意しましょう。

退任後は会社法による競業義務が及びません。

しかし、退任した取締役が在職中に得たノウハウを活かして競業行為をすると、会社には重大な影響が及ぶでしょう。

 

退任後の取締役の競業行為を規制するには、以下のような方法がお勧めです。

 

2-1.競業行為の禁止や顧客との取引禁止に関する誓約書を作成させる

取締役として選任する際、退任後の「競業禁止」や顧客との取引を禁止する誓約書を作成させましょう。

たとえば退任後2年間は会社と同一あるいは類似する事業を行ってはならない、会社の顧客に向けた営業行為をしてはならない、

などと約束させるとよいでしょう。

 

2-2.秘密保持契約を締結

会社の営業上の機密については、退任後も秘密保持義務を課するため秘密保持契約書を作成しましょう。

 

2-3.元取締役が違反した場合の対処方法

万一、元取締役が競業禁止や顧客との取引禁止、あるいは秘密漏えい行為などを行った場合、

内容証明郵便を使って差し止めを求めましょう。

それでも競業行為や秘密漏洩行為がやまない場合、仮処分を申し立てて差止請求する方法が有効です。

その上で、会社が被った損害についての賠償請求を行うとよいでしょう。

 

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