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養育費の請求方法をパターン別に解説!

公開日:2022/10/17 / 最終更新日:2022/10/16

未成年の子どもを引き取って親権者となったら、別居親に養育費を請求できます。

ただし相手がすんなり養育費を払ってくれるとは限りません。

 

今回は養育費の効果的な請求方法をパターン別に解説しますので、

養育費の不払いに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.養育費の取り決めをしていない場合

そもそも養育費の取り決めをしていないなら、まずは支払いの約束をしましょう。

相手と連絡をとり、養育費について話し合ってみてください。

金額については自分たちで自由に決められますが、決めにくい場合には以下の裁判所の定める基準に従うとよいでしょう。

※ 平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所 (courts.go.jp)

 

公正証書にする

養育費の金額や支払い方法について合意できたら、必ず書面化しましょう。口約束では守られない可能性が高くなります。

また、将来の不払いに備えるために「公正証書」にしておくようお勧めします。

公正証書があれば、相手が支払いをしないときにすぐに給料や預金などを差し押さえられる効果があります。

 

2.養育費の話し合いができない場合

相手に養育費の請求をしても無視される場合、家庭裁判所で「養育費調停」を申し立てましょう。

養育費調停とは、裁判所の支援のもとに親同士が養育費について話し合うための手続きです。

調停を申し立てると、調停委員が間に入って両者の意見を調整してくれます。

相手が支払いを拒絶する場合には、適正な金額を示して払うよう説得してくれるでしょう。

両者が合意すれば調停が成立し、養育費を支払ってもらえるようになります。

 

調停でも相手が支払いに応じない場合には、養育費調停は「審判」になります。

審判では裁判官が妥当な養育費の金額を算定して相手に支払い命令を下します。

このときには調停申立時からの不払い分も加算されるので、

まとまった金額(申立時からの遡及分)の一括命令と将来分の支払い命令の両方が出ます。

 

遡及分は、通常、調停申立時(又は内容証明郵便等による請求時)からの分となり、

その前の分の支払は認められないのが通常です。

相手から養育費を払ってもらっていないなら、早めに養育費調停を申し立てるとよいでしょう。

 

3.調停や審判で決まった養育費を払ってもらえない場合

公正証書や調停、審判などで決まったにもかかわらず、養育費を払ってもらえないケースもあります。

そんなときには、以下の手順で養育費を請求しましょう。

3-1.履行勧告、履行命令を利用する

履行勧告とは、裁判所から相手に「義務に従うように」と促してもらえる手続きです。ただし強制力はありません。

履行命令とは、裁判所から相手に「義務に従いなさい」と命じてもらえる手続きです。

命令に従わない場合には「10万円以下の過料」という制裁が加えられる可能性があります。

 

3-2.強制執行する

履行命令や履行勧告にも従わないような相手であれば、債務名義を用いて強制執行をしましょう。

強制執行とは給料や預貯金、保険や車、不動産などの財産の差押えをいいます。

公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」があれば、相手の財産を差し押さえて養育費を回収できます。

 

養育費が支払われない場合、状況に応じた方法によって請求手続きを進めましょう。

お困りの方がおられましたらお気軽に弁護士までご相談ください。